全身に雷が落ちたような

病気療養というのは、頸椎の椎間板ヘルニアの手術のためだった。

【人気記事】JALの機内で“ありがとう”という日本人はまずいない

この島では、社会体育バレーボールというのが盛んで、金曜日の晩にいい汗をかいて、みんなで一杯やるというのが慣習であり、中学生時代から大好きだったバレーボールでもあるので、極上の楽しみとなっていた。

島に赴任して4カ月が経った頃、いつものように学校の体育館でバレーボールをやっていた時のこと、そう無理な体勢でもなく、普通にオーバーハンドパスでトスを上げると、雷が脳天から落ちて、ビリビリっと電気が激しく流れたような痛みに苛まれた。

しばらく動けず、体のしびれが治まるのを待って、何とか普通に動けるまでには回復した。本来であれば、それほどのことがあったならば、すぐに病院に行くのだろうが、そこがまさに島のネックであり、診療所に一人の医者が常駐してはいるものの、当時は内科医の先生で、「まともにレントゲンが撮れない」という噂を耳にしていた。

数カ月の後、隣の少し大きな島の病院に「整形外科の先生が検診に来ている」と聞き、診てもらうと、都内の大病院で精密検査を受けるべきと紹介され、流れのままに手術をすることにまでなった。

2カ月の入院と1カ月の自宅療養と。後になって思えば、そういう長期の休みが許され、戻った時に温かく迎えてもらえたことは、大変恵まれた環境だったことは間違いなく、感謝の念を伝えなければならない。

副校長には当然であるが、校長も「体のことを一番に」と、すぐに長期療養を承諾していただいた。また、この島の出身で、島の教育を長年支えてきた御長老の教育長の温かい目はとてもありがたかった。