3.食(飲食)の注意点

基本は食事内容と食事の時間、嗜好品(お菓子・ジュースやお酒など)です。

(1)食事内容

まず栄養バランスを取ることが重要になります。この栄養バランスという言葉は解釈が非常に難しいのですが、基本的には、米や小麦など(炭水化物)・肉や魚(タンパク質・脂質)・野菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)をまんべんなく取ると考えていいと思います。

特にかゆみが強い時には、体力も消耗しますので、しっかりと食事を取ることが大切です。一方で体に余計なものを入れたくありませんので、インスタント食品やお弁当ではなく、極力、家で作られたものを食べることをお勧めします。

次にかゆみトラブルで食事内容の影響を考える場合のおよそ気をつけなければならない状況を説明します。㋐食べると直ちに体調が悪くなるものがある場合(アナフィラキシーを含む)この状況は要注意です。

特にアナフィラキシーなどを起こしたことがある場合には、医師よりアドレナリン自己注射器が処方されていると思います。使い方をしっかり身につけるとともに、周りの人への周知なども図る必要があります。

そこまでではなくとも強い反応を起こしてしまう食べ物がある方も要注意です。㋑食べ物でかゆみを急激に起こさないが、しばらくしてかゆくなったり、かゆみを強くしてしまう場合飲食で命にかかわることはありませんが、気をつける必要があります。

ただし現代は一般に極端な食事制限を避ける傾向にあります。ご自身の体質に合った、食事を取ることが大切です。

(2)食事の時間

食事を取る時間と生体リズムとは密接に関係しています。そしてこの生体リズムに合わせてかゆみを抑制する物質の量が変化したり、生活リズムを整えることによって疲労が取れやすくなったりします。

お勧めは次の通りです。

○朝・昼・夕の食事する時間をおよそ決めること。

○特に夕食は21時までとし、出来るだけ21時以降は食べないこと。

○間食も時間を決めて、自分が食べても大丈夫なものを。チビチビダラダラ食べないこと。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『かゆみの処方箋』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。