しかし、世の中にはこのサイクルに一致しない製品(コカ・コーラやカップヌードルといった超ロングセラー商品など)も多く存在しますし、逆に医薬品はPLCが短くなっています。一方、「バファリン」、「正露丸」や「オロナインH軟膏」などのOTC薬のようにPLCの長いものもあります。

このようにPLCをいかにマネジメントして、製品の寿命を延長させるかが重要で、これをライフサイクルエクステンションと呼びます。ライフサイクルエクステンションのためには以下の3点が有効です。

①製品の修正:デザイン変更、特性の追加、性能の向上、品質改善があります。例としてはWindows10や薬剤の徐放化製剤の開発が挙げられます。

②市場またはポジショニングの修正:ターゲット層の変更、新たなポジショニングの採用、顧客創造を目指します。例としてはTS-1(経口の抗癌剤)の新規適応の獲得があります。

③マーケティングミックスの修正:値下げ、効率的な広告キャンペーンの開発、攻撃的な販売促進、大量販売チャンネルの活用、新規サービスの促進などがあります。

例としてはC型肝炎の治療薬(ハーボニー)のテレビコマーシャルなどがあります。医療品におけるライフサイクルエクステンションの具体的事例を示していますが(図表5-4)、読者の皆様に見て頂き、もし抜けているものなどありましたら是非ご指摘頂ければと思います。

 
※本記事は、2017年12月刊行の書籍『MBA的医療経営』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。