一方、ここ数年で増加傾向にあるのが10代後半から20代前半の思春期の患者さんたちです。さらには、アラサー、アラフォーの成人女性も増加傾向です。彼女らのほとんどは、実は小学生患者さんの親御さんです。

発達障がいには遺伝的な要素があり、親子とも似た症状があるのです。親子並行治療を行うことで親子関係はとても良くなります。

私は小児科医ですが、「子どもからある病気は、大人になっても小児科医が診るべき」という信念のもと、思春期や成人期の患者さんも診ています。いや、診るべきだと考えています。

小学校入学後に担任から指摘されたり、親御さんが授業参観で、他のお子さんとの違いに気づいたりするケースが、なんと多いことでしょうか。

1年生、2年生で診断に来てくれればまだいい方で、3年生の担任に初めて指摘されて、やっと受診を決断する母親が多いのです。3年生以上の学年になって、担任に面談で早く医療に相談した方がいいと言われ、ようやく重い腰を上げて受診してくる母親も多くいます。

担任に言われて受診してくる親御さんは、仕方なく受診したのであって、発達障がいではないと否定してほしいという気持ちで来ています。

今まで、「様子を見ていい」と言われていた年数が多いために、なかなか切り替えが困難なのです。そのように、発達障がいを放置したがため、最終的にDBDマーチになり、2次障がいとなってから再診するケースも少なくありません。

その時にはすでに万引きなど反社会的行為に染まっていたり、不登校にもなっていたり、家でゲーム・携帯・ネット依存になり、結果引きこもって、学校や友人からますます遠ざかっていたりすることも少なくないのです。

だから私は、各地の講演の時に必ず「早期介入の重要性」を訴えています。なぜならばに思春期にわたるADHD&自閉スペクトラム症には様々なリスクがあるからです。

発達障がいのお子さんが一人でもこの負のスパイラルに入っていかないよう、できるだけ早く介入してあげることが重要なのです。

※本記事は、2018年10月刊行の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。