スルガザウルスに受け継がれたことからも分かるようにその姿すがた形かたちは自分の育った湾や湖の形状の影響を受けるため

六ザウルスには仲間らしさを感じ取らせるような共通するものが全くなかったからです

また生まれて初めての『鬼おにごっこ』体験に夢中むちゅうになり逃にげるのが楽たのしくてたまらなくなって

必死になって捜さがし手ての裏うらをかくのですから時間がかかるのも当あたり前まえです

最後の本栖湖では三度の四季しきを過すごし今までの長い旅の疲れを休め体力を回復かいふくし

お互たがいについて理解りかいを深め合いました

さあもっと広い世界への旅立ちです

六ザウルスは自分たちの身体を水に溶とかし川の水と化かして一斉いっせいに富士川ふじかわを下り駿河するが湾わんにたどり着きました

水の流れ　潮しおの流れに任まかせて　一旦いったんは駿河湾全体へと大きく広がり

それから細胞さいぼうがお互いに引ひき寄よせ合うようにして徐々じょじょに一つにまとまり

ぎゅっと凝縮ぎょうしゅくされて全まったく新しいザウルスの身体ができました

六ザウルスが完全に一体となった時にはその姿すがたこそ駿河湾の形かたちを残していましたが

その大きさは何億分なんおくぶんの一いち

母たる富士に合わせたのか体長たいちょうは二十二メートルほどになっていました

これにはまた百年ほどの年月が必要ひつようでした

またそうなった時には人々の悲かなしみや苦くるしみ　喜よろこびや楽しみも感かんじ取とることができ

意思いしもしっかりと持つようになりました

スルガザウルスの誕生たんじょうです