ロースかつ定食

お客様の大事な荷物を預かっているからなお更、ニュースはよく見るようにしている。

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これまでに一度だけ当社の関係する船舶がサウジのアデン港を出てインド洋に向かう時何者かの武装勢力に追われて全速力で逃げて、途中海上警備をしていた艦艇に助けられたことがあった。

最近の大型汽船はハイテク化されていて乗組員も少ないからどうしても監視業務まで手が回らないのが実情だ。仕事も自分と顧客で書類関係は完結することが多く、外資系だから責任を持たされる範囲も多い代わりに失敗したときはそれなりに上司から叱責されたり、場合によっては仕事を外されることもある。

緊張感は何とも言えないので仕事が続けられていると自己分析している。今日は、丸の内の顧客まで船荷書類を届ける日で、午後一時半のアポを取っていた。丁度昼食時間になったので書類をまとめて普段から持ち歩いているバッグに入れた。

バッグは丁度A4サイズの書類がゆったりと収まるので美代子はいつも便利なので持ち歩いている。お昼ご飯は大手町界隈で適当に済ませてから丸の内の客先を訪問することにした。

昼時はビルの中の飲食店はすごく混雑している。何しろ大手町のビルはこの辺りでは大きな部類のビルでかなりの社員が働いている。

十二時を少し過ぎるとどこもいっぱいで店の前に行列が出来ているお店もたくさんある。今日はどうせ丸の内方面に行くから少し足を延ばし新規開拓することにして、東京駅の方面に歩いた。

丁度東京駅北口に差し掛かったところで新しいビルの前で上を見上げていた。このビルの中に大手の本屋さんがあることを知った。

いつも通勤で歩いているのにどうして気が付かなかったんだろう。と不思議に思いながらビルの中へ吸い込まれるようにして入っていった。

少し本屋さんでぶらぶらしながら時間をつぶそう。そうしたら飲食店も空いてくると読んだ。この本屋さんは他の書店と比べてなんとなく格式が違うようだ。本の展示の仕方や種類もその土地に合った書物が並んでいる。

ここは日本の政治経済の中心だから、経済書が豊富で少し堅苦しい書物が並んでいる。ただ立派な書店でも本は再販制度であるから、本の価格は皆一緒だ。

書店の中は紙の香りがするからか、特殊な雰囲気を漂わせていると感じた。