フォールはあえて考えないことにしました。考えが見透かされてしまうのはわかっていましたから。それでも、不思議に思わずにはいられませんでした。どうして「彼ら」は、ぼくのちっぽけな脳みそが、あんな難しいことを理解できるなんて思ったんだろう? 

「今ここの天使」の言ったことのほうがはるかに優しく、容易でした。フォールは今までになく、自分の力不足を感じました。「至高の神さま!ぼくにはついていけません。神さま、どうしてぼくなんですか?ぼくは科学者じゃないし、哲学者でもないのに」

至高の神はどこからともなく答えました。

「それはね、フォール、お前が求めたからだよ。お前は意識していないかもしれないが、お前の魂は、わたしに何度もせがんできた。それだけでなく、お前は広い心を持っていて、どんな理論的知識をも超えている。お前はわたしのメッセンジャーにピッタリだ」

「まいったな!」とフォールは思いました。「今度からは、もっと気を付けて頼みごとをしなくちゃ」

「フォール!」と至高の神は呼びかけました。

「誰にでもすべてが見えるわけじゃない。目の前の照らされた場所だけを見るのだよ。その後は長いみちのりになる。光がお前の道を一歩ずつ照らしてくれるだろう。ランタンがお前の道を一歩一歩、敷石の一つひとつを照らしてくれる。一度に一つずつだ。お前にはそれで充分だ。

自分を信じることだ。暗闇を見てはいけないよ。

灯りに照らされた一つの石だけを見るのだよ。それがお前の『今ここ』の踏み石だ」

「なんてこった!」フォールはちょっとイラついて考えこみました。「神さままでが『今ここ』の話をしてるなんて……」質問しなきゃよかった、と思ったほどでした。今夜はこれで終わりにし、明日にそなえることにしました。何があるかわかりませんから。

†††

次に訪れた天使は天使ではありませんでした。それとも天使だったのかしら? 彼は自分は「うちなる子供」であると告げ、きらきらした、さえずるような声をしていました。

※本記事は、2018年9月刊行の書籍『少年と天使たち 知恵が目覚め、 気づきの旅が始まる Foal and the Angels』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。