小松はここまで一気に話すと喉を潤すために、ペットボトルのお茶を一口飲んだ。長田は社長の意向は今年度の計画を確実に達成するための気合いを入れるためのもので、若干の数値の上乗せがあるものと予想した。

営業部長の中田は、臨戦態勢を1カ月早め、11月から特別企画セールを実施することが必要になりそうだと予感した。社長は話を続けた。

〈小松〉今日は二つのことを諸君にお願いする。一つ目は言うまでもなく今年度の利益計画の100%達成だ。利益計画ということは、『営業利益2億円』を達成することだ。ここで間違ってはいけない。

売上高20億円の目標は、『営業利益2億円』を生み出すための一つの計算根拠にすぎないということだ。言い換えれば予算比10%増の22億円売っても、営業利益が1億円では目標未達ということになる。

一方、売上が19億円でも営業利益が2億円確保できたら堂々たる予算達成になる。要するに目標は売上高ではなくあくまでも利益の確保となる。ところで山田製造部長、製造部全体としてはほぼ予算通りのようだが、基盤製造部門は相変わらずの赤字になっている。

今期中、すなわち来年の3月末までに黒字化体質を作りあげてほしい。

ここまでの話は、基盤製造の件を除けば出席者一同ほぼ予測されたことで、一つ気合いを入れられたという感があった。

※本記事は、2021年2月刊行の書籍『企業覚醒』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。