私が大学生だった頃、50歳を超えた父は「もっと子供を持っていればよかった」と、何度となく言っていました。私は、姉と兄がいる3人兄妹でしたが、当時18歳の私は、『大きくなってしまった我が子たちに感じる一抹の寂しさ』だと思いました。

また父の言葉から、「人生にはリミットのある挑戦と、リミットのない挑戦がある」と強く感じるのでした。結婚して私は5人の子供を出産しましたが、30歳で長女を出産、40歳で5人目の子供を出産したあの10年間、先が見えず、終わりなき闘いの日々でした。

しかし、父の言葉を思い出し「リミットがない挑戦なら、子育てのあとにスタートすればいい。子育てができる時期は今だけだ」と思うようにしていました。だから、60歳を超えた今の私は、父のように「もっと子供を持っていればよかった」と思うことはありません。

ずっと続いてきた子育ての期間は、さまざまな立場から経験を重ねることができたし、子供たちに力を引き出してもらった時期だと思っています。女性しか経験できない十月十日とつきとおかの体を5回体験し、そのたびに出産のゴールと、そこから始まる新たなスタート。

産み終えたら、あれもできる、これもできるという思いを膨らませてきたし、いつもその先の10年を考えていました。保健の授業で、10年後20年後の自分と向き合い、目を輝かせて未来に飛び出していた生徒たちは、まさに私そのものだと思いました。

机の上に人生設計を広げるように、俯瞰ふかんして自分の人生を考えると、『今やるべきこと』『今しかできないこと』『今だからできること』が見えます。

何歳からでも、10年後の自分をどのように育てていくかという『10年設計』を立てる。

それは、理想の自分づくりとして何を積むかという『挑戦』へのスタートです。

幾つになっても、高校生のように自分計画を立てることは素敵なことだと思います。