一番大変であったのは、満員の新幹線。家族四人で旅行した時の話だ。帰りの新幹線の指定席がとれず、自由席も満員。しょうがなく入り口辺りで落ち着く。

しかし、ここも満員であるがしょうがない。無理矢理入り込んでしまったのが運のつき。ショーが突然ズボンを下ろし、おしっこのポーズになってしまった。小さい子供といえ満員電車の中でズボンを下げ、おしっこのポーズ。車内はパニック。

ショーの近くのおばさんや、おじさん、お姉さん。ショーから遠のきたいが、満員で逃げられない。

「何とかしてよこの子供!」

「すいません。すいません。」

と言ってズボンをあげ、

「ショーくん。もうすぐだから我慢しなさい」

と言い睨んだ顔をすると

「いい、いい」

と言ってショーも真似する。しかし尿意は、次から襲ってくるのか数分も経たないうち、また、ズボンを下げる。

私は「我慢しなさい」と言い聞かせショーを抱きかかえ、じっとした。もう、居ても立っても居られない。神様! 間に合ってくれ。永遠の時間とも思えるような時を過ごし、間一髪、間に合った。

この車両にはトイレが無かったので、新幹線が止まるや、一つ前の車両にショーを抱きかかえて連れて行く。セーフ。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ショー失踪す!』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。