しかし、幾何級数的にかけあがる第4次産業革命を前にして、人々は恐れをなしています。自らの雇用を失い、人間としての尊厳をひどく傷つけられるのではないかと身構える人々であふれています。今回の新型コロナの出来事はまさに第4次産業革命の入り口で起こった悲劇でした。

ところが私たちは、第4次産業革命の意外な一面を体験することになります。オンライン会議です。私たちは2020年前半に、人間同士が接触することができない状況で、止むを得ず、デジタル技術を使わざるを得なくなったのです。

私たちは、新型コロナによって足を止められ、仕事の打ち合わせが全くできなくなりました。海外への出張は当然のことながら、東京への出張、出社も困難となりました。それらの活動を補うためにやむを得ず、通信回線を使い、オンライン会議を行うことになりました。

いまや、TV番組もリモート編成です。キャスターの隣にコメンテーターがいるのですが、コメンテーターは画面の枠の中に仕切られて出席し、「隣」のキャスターと話をしています。

そもそも私たちはTV画面を通して番組をみているため、TV画面の中にもう一つの画面が増えたとしても、全く気にならないのです。もし、コメンテーターが映っている画面の仕切り枠がなければ、視聴者はリモート参加であることに気づかないでしょう。

出演者も交通渋滞を気にしながらスタジオにたどり着くこともなくなります。ビジネスとは、人と人が直接会わなければ、進むものではない。会わずして商談が進むわけがないという思い込みは深く、ひたすら新型コロナが通り過ぎるのを待とうとしました。

しかし、終息には長い闘いとなると観念し、オンライン会議に身を委ねたのです。それがこれから起こるオンライン革命の入り口となりました。国内だけでなく、世界中にその驚きが広がり、私たちは新しい時代の到来を実感することになりました。

オンライン革命のはじまりです。

 
※本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。