第4のファクター:「絆・コミュニティ」

自分に自信のある人ほど第4ファクターである「絆・コミュニティ」を軽く考える人が多いように見受けられます。人は一人で生きているのではなく生かされているのです。本書に何度も書いている「まさか」のときに思い知らされます。

【人気記事】JALの機内で“ありがとう”という日本人はまずいない

1 生涯で出会える人

今回のコロナ禍で人は「社会の絆」「家庭の絆」「友人の絆」など自分の周りにある「人の絆」が分断されたときの孤独感や虚しさをしみじみ感じさせられたと思います。

「美と健康」は主に身体の維持であり後の章の「人間力」は人の精神力や魂の維持向上をさします。そしてこの章の「絆・コミュニティ」は全身に張り巡らされた血管の様なものと思っていただければいいと思います。

中心の心臓部分が「ファミリー」だったり「恋人」かもしれません。これからも色々な人と出会っていく方の体中に張り巡らされた血管かもしれません。

人間の血管は毛細血管まで含めると10万キロメートル、なんと地球2周半分もあるそうです。読者の皆さんの出会える人も無尽蔵にあると思ってください。

早稲田大学教授の豊泉洋先生の説では人間の一生で会える人は、一日あたり平均3名の方と出会えるとして、8万7600人(3人×365日×80年)だそうです。

2 出会いの心がけ・「一期一会」

「一期一会」という言葉は茶道を極めた千利休の門人・山上宗二の残した言葉であり、「一期」とは人の一生をさす言葉であり、「一会」とは文字通りたった一度の出会いという意味です。

「茶道」のもてなしの極意である「茶会」。どんな人を招こうとも、毎回一生に一度の出会いだという思いをこめて誠心誠意、真剣に行うべきである、というような教えです。

さらに毎日会っている人でも今日の出会いは一生に一度のことであるという深い意味もあり人の出会いの重要性を説いています我々はつい人の出会いに損得勘定を考え、何とか利益を見出そうとするものです。

また食事をご馳走したのだからその分見返りを求めたり、親切をしてお礼の言葉を求めたり、善人ぶっていながらどこか卑しいところが心の片隅にあるものです。