薬による対応

②基本的な外用剤の選び方(ご自身で選ぶ場合の参考に)

かゆみはしばしば熱感とともに出てきます。炎症を引き起こす物質のほとんどにかゆみを引き起こす性質があり、熱感が強いとかゆみも強くなる傾向があります。

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一方で人は水により体を冷やしていますので、この熱を冷ますには、熱を水と一緒に主に大便・小便・汗から体外に排出します。特に皮膚表面の熱を効率良く排出出来るのは汗なので、これを妨げると熱感が強くなってかゆみが増すことがあります。

そこで外用剤を選ぶ時に大事になる基剤(クリームや軟膏など他の成分を溶かし込んでいるもの)にも注意してください。ポイントは以下のようになります。

○熱症状がある場合(皮膚が熱い・赤い・お風呂などで温かくなった時かゆみが出るなど)親水性基剤(水に溶ける)のクリーム

○熱症状がない場合(皮膚の熱さがない・温かくしてもかゆみが出ないこともよくあるなど)親油性基剤(油に溶ける)のクリームまたは軟膏

*基本的に皮膚の保護・保湿の力は親油性軟膏基剤が強く、熱をこもらせにくいのは汗の発散を妨げにくい親水性基剤です。

保湿剤を選ぶ際の注意点ですが、皮膚の代謝が良くない時に、浸透力の良い保湿剤を使うと、皮膚でうまく保湿成分が使えない場合があり、余計にかゆくなることがあります。

つまり状況によっては浸透力があまり強くないほうが良い場合があるということです。またこれはあくまで原則です。ほとんど同じ状態で同じ外用剤を使っても、人によっては合わない場合もありますので注意してください。

最終的には出来るだけ自分に合うものを探すことになります。人によって、またその時の皮膚の状況などでも変わってきます。つまり、内服薬と同様に万人の皮膚に合う外用剤はないと考えたほうがいいでしょう。