馬の夢

うーん、疑いかぁ……フォールは自分に疑う癖があることを知っていました。その癖がいつも顔を出し、頭の隅を突っつき、この上ない至福の瞬間を台無しにしてしまうことさえありました。

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そして、本当に残念なことなのですが、考える癖がまるで自分の意思のように頭をもたげ、無意識のうちに追いかけてくるのでした。でも今度ばかりは、感覚のほうが勝っていて、少しずつ疑いを、自我を、コントロールするかのようでした。

まるで、より在り在りと……そうだ、これだ、「在る」だ。フォールは前にもこの言葉を聞いたことがありました。「在る」ということ、「今ここ」にいるということがこの頃盛んに言われているのを、フォールは知っていました。

それが実際どういうことなのかは、一所懸命理解しようとしましたけれども、彼にはわかりませんでした。ただ、自分の頭が言うことを聞かず、あれこれ考えては、気持ちを乱しているのがわかりました。

フォールは、自分は質問しすぎかしらん、と思い始めました。あまりうるさく迫っても、せっかちだとか無作法だとか批判されるかもしれないし……。