特攻大作戦

アメリカ政府の諜報の仕事に何年も携わったが、私がCFIUS(“SIFI‒us”と発音する)との関わりを話すと、まれに困惑した表情に出くわすことがある。もちろんこの名称は変に聞こえる。

ひょうきんな人は「それってチクチクするの? それともヒリヒリするの?」と聞いてくる。

諜報共同体の外部者でこの名称を聞いたことのある人はいなかった。CFIUSとはアメリカへの国外からの投資に関する委員会の名称の頭文字から成る。

この委員会は1975年5月7日ジェラルド・フォード大統領の大統領命令11858によって創設された。興味深いことにフォード大統領の大統領命令は1934年の金準備法をその委員会の法的権限の根拠として引用している。

金準備法に言及した理由はCFIUSの活動が1933年のルーズベルトによる金没収から生じたアメリカ政府のインサイダー取引からの利益に基づく資金を元になされたからだった。

当初の委員会のメンバーは国務長官、財務長官、商務長官それにホワイトハウスの高官だった。1975年以降委員会のメンバーは増加し、今や国家安全局長官、エネルギー庁長官それに司法長官が加わっている。

CFIUSは国外資本により買収対象となっているアメリカ企業について、その問題となりそうな取引を進めることを許可して良いものかを決める関所のような機能をしている。

委員会は、外国資本によるアメリカ政府が推奨している問題の無い投資と、重要なインフラに関わる敵意が隠された進出との見極めに努力している。

大ざっぱに言って重要なインフラとは通信、インターネット、クラウドコンピューティング、電力、水力発電、金融、交通、港湾、水路、防衛、宇宙それに自然資源を言い、要するにアメリカを安全にそして明るく電気を灯すネットワークを意味する。

CFIUSはこれらのセクターへの外国からの悪意ある侵入を阻止するのである。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『AFTERMATH』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。