たとえば、白砂糖。白砂糖の前身は黒砂糖です。黒砂糖にはビタミンが豊富に含まれています。この黒砂糖からビタミンを抜き取ってしまった残りかすが白砂糖ですから、白砂糖は生命力を失った物体なのです。一年間放置してもカビは生えません。

そして、この白砂糖は体内に入ると、栄養になるどころか、逆に体内のビタミンを破壊してしまうのです。この白砂糖、防腐剤的目的にも便利に使われていることはご存知のとおりです。調理済み食品が全般的に甘いのはそのためです。

「甘いものばかり食べていると骨が溶ける」と叱られたことがあるでしょう。本当なのです。白砂糖の前身は土色をした黒砂糖です。この黒砂糖からカルシウムなどの貴重なミネラルや栄養成分を引き抜いてしまった残りかすが白砂糖なのです。

弱アルカリ性に保たれている体内に酸性の白砂糖が入ると中和するために大量のミネラルが必要になるので、骨や歯を溶かして供給されてしまうのです。

したがって人間にとって大切な思考力、集中力が欠如するのです。抜けた歯を白砂糖溶液に漬けておくと溶けてしまうというのはここからきているのでしょう。

砂糖の次に一日も欠かせないのが食塩です。ミネラルを豊富に含む海塩は、血液をアルカリ性に保ってくれるおいしい食品です。私はイタリアから取り寄せた、地中海の大粒の海塩を毎日おやつにしていますが、これぞミネラルのおいしさです。

この海塩こそ生命力を持った食べ物です。海塩からミネラルを抜き取った残りかすが、一般に売られている精製塩(塩化ナトリウム九九パーセント)です。

その純度からいって、これは食品というより薬剤に近いのではないでしょうか。精製塩は、体内に入ると腎臓に負担をかけます。

したがって当然のことですが腎臓機能は低下します。血圧だって推して知るべしです。私がこのようにミネラルやビタミンを抜き取った話をしますと、サプリメントで補えばいいじゃないかとおっしゃる方がいます。

しかし、われわれの身体の中で、

一+一=二

だと単純に考えてしまうのには疑問が残ります。栄養成分は、不自然な方法より、自然なかたちで身体に取り入れるのが賢明ではないでしょうか。

自然な食品はおいしいのですから。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『喰い改めよ! あなたはあなたが食べたものでできている』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。