男の子はそんな気持ちを分かって欲しくて、乱暴になっていたのです。はじめから乱暴になりたかったわけではないのです。小さなボクは家に入ろうとする男の子に向かって、

「お兄ちゃん、すごい! 今度、水やりを教えてー」

と叫びました。男の子は小さく頷(うなず)いてくれました。小さなボクは、たくさんの冒険の中でたくさんの噂話も耳にしました。その度に、

「ちゃんと見てくる!」

と決めました。自分の目で見ると、その人の本当が見えるような気がしていたからです。

乱暴な子という噂の裏には、理解されずに悲しいという気持ちがあったり、悪戯(いたずら)っ子という噂の裏には、もっと大切にしてほしいという寂しい気持ちがあったり、暗い子という噂の裏には、何度も傷ついて、信じる事が怖いという気持ちがあったりすることを知りました。

小さなボクが自分の目で見に行かなければ、噂のまま人を決めつける大人になっていたでしょう。でも、たくさんの冒険の中で小さなボクは、噂は本当でないことが多いという発見をしました。

小さなボクが大人になったボクに聞きます。

「ねぇ。君は噂だけで人のことを決めつけるの?」

大きなボクは小さなボクに約束します。

「ボクも、君がしてきたように自分の目でちゃんと見てくるよ。噂だけで人を決めつけたりはしないよ!」

小さなボクと大きなボクは心の中で声を合わせて言いました。

「ボク達、ちゃ〜んと見てくるよ!」