人間論的観点からみた地球破壊リスク

「喫緊の 創造すべき 新課題 地球規模の 養生システム」

「地球を 患者として 看るならば 症状悪化 防ぐ手立ては」

経済学者による地球環境、温暖化問題に対する解決の困難性は、主に「費用と便益」の視点から問うものになりがちだが、「人間論」的観点から見ていくと次のような見解も生まれて来よう。

以下は、西田先生の著書のあとがきのエッセイの要旨である。※『経営学 日本企業の将来予測』西田耕三(1999年有斐閣)のあとがきに代えて「地球環境問題と企業、人間」より

当時、東大教授だった石弘之氏(現環境ジャーナリスト、研究者)による論評『地球環境と人類の行方』(1996/5中日新聞)によると、地球破壊は、人間が引き起こしたものである。1996年現在、58億人の世界人口は、2020年には80億人になり、この辺りが地球が人間を許容できる限界である。

食糧不足や資源・エネルギーの枯渇がいわれているが、これらが深刻になる前に、2020年頃に、良質の水の供給に制約が来るだろうという内容だった。

それに対して「人類はこれまでも種々の課題・問題を克服・解決してきた。だからこの問題は大丈夫だ」という反応をした人も多かったという。

しかし、(西田先生がいうには)「環境の悪化による人類の滅亡」という問題の場合は、少数の人たちの解決努力と比べて、筆者も含むほとんどの人が、弱い関心しか持っていない。

また、意図してではないが、問題解決をしようと努力する人に対して、敵側にまわる行動を取る(例えば、飛行機や車に乗る)ため、客観的にみて解決できるはずだ、大丈夫だという楽観論は誤りだと思えてくると書いている。

人間の特性に自己中心性がある。例えば、禁煙権は強く主張している人が「排気ガスを散らして走ることには平気」といった、歪な行動の帰結が大気汚染だといってよい。

さらに、「時間的近視眼性」、「すべてを求める」、「欲求・欲望を限りなく膨らませていく」といった特性も、地球温暖化対策を難しくしている要因であると、懸念の言葉を残している。

実は、研究者生活の後半、「創造」をテーマに専念してきた先生は、企業や人が行う創造は、身体のコレステロールと同じように、「善玉の創造と悪玉の創造」があるといい、「地球環境を破壊する悪玉の創造に対し、善玉の創造でそれを凌駕していかなければならない」といった言葉で結んでいる。

それは、医者がよく云う「総コレステロール値が高いことが問題ではなく、悪玉コレステロールが高すぎるならばそれが問題」と同根の話といえそうだ。(2020・2・25記)