今回のパンデミックによる負の側面には計りしれないものがあります。老舗企業、大手から中小にいたる、しかも全世界の企業が同時に苦境に立たされました。その全貌と意義については、将来の歴史家の判断に委ねられますが、100年ぶりの世界恐慌が起こったといっても過言ではありません。

そうした負の側面とともに浮かび上がってきたのは人類にとって全く新しい世界です。100年ぶりに人類を襲った負の側面をどう理解したらよいでしょうか。

中国古代王朝、周の時代にはじまったとされ四書五経の一つに易経があります。人類最高峰の哲学とされ、量子力学の確立に貢献したニールス・ボーアは、易経にヒントを得たといわれます。現代科学の基礎となったデカルトの二元論に対し、一元論として世界を俯瞰しています。

今回のパンデミックを考えるとき大変参考になります。易経に、「一陰一陽之(これ)を道と謂ふ」という一節があります。

「道の本体と作用は、すべて陽と陰と、すなわち積極なる力と消極なる力との活動変化であることを説き、そうしてそれは決して陽と陰とのいずれの一方にも偏ることはない」

「時としては陰が主となって活動し、時としては陽が主となって活動し、陰または陽のいずれかの一方に偏することなく、陰と陽とが適当なる時に適当に行われるのが、これ道である。」と説き、

「『一陰一陽之謂道』という一句は、易において最も重要なる文句の一つである。これが天地の道の極致であり、…この意味は、極めて広く、極めて高く、極めて大きく、極めて深遠である。」(出典:「易経講話繋辞上伝」公田連太郎 明徳出版社)

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。