運命の出逢い

六本木で待ち合わせた二人は、焼鳥屋に向かった。

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「旨いって有名な焼鳥屋を予約しておいたよ、どうしても、お前に食べさせたくてな……そこの焼鳥は本当に旨いんだ。焼いている店長が無愛想だけど、焼鳥一筋の人生って感じだからな」

「よく行くのか?」

「いや、たまに上司に連れて行ってもらうだけだよ。俺の安月給じゃ、なかなか行けないよ」

そう言って笑う賢一を見て禅は、少年時代と同じ安らぎを感じていた。焼鳥屋に入りカウンターの奥の席に座ると、賢一が焼鳥を焼いている店長に挨拶をした。店長は無愛想に挨拶をした。賢一は言った。

「普段は、奥の座敷に座るんだけどな」

そう言って笑うと、いつものというコース料理を頼んだ。そして運ばれて来た生ビールで乾杯した。賢一は考えながら言った。

「良く考えたら、お前と飲むのは初めてじゃないか?」

「確かにそうだな」

「子供の頃が懐かしいな……」

「ああ……」

二人は子供の頃を思い出していた。

「お前と遊んでいた子供の頃が、ついこの間のように思えるよ」

「そうだな……」

禅は賢一に聞いた。

「賢一……本当に、迷惑じゃないのか?」

「何がだ?」

「お前、警察官僚なんだろ?」

「それがどうした?」

「だから……前科者の俺と飲んでいて……」

「そんなの関係ないだろ?」

そう笑い飛ばした賢一の笑顔に嘘は無かった。