既に、現在においても、GPS(Global Positioning System 全地球測位システム)により、攻撃目標は巡航ミサイル等によりピンポイント爆撃できますから、人間による陸上肉弾戦を闘う必要はなく、あたかもボタン戦争の様相を呈しています。

大きな目標ではなく、特定の人間であっても、宇宙から狙撃することも可能であると考えられます。

無人飛行物体は既に存在し、さらにその上に、戦闘ロボット、レーザー理論の範疇にある光線銃、蚊のような小動物あるいはそれに似せた人工動物に生物兵器や化学物質を搭載する兵器等々が開発されているというような文献に接しますと、人間が人間を殺傷する兵器製造のためにこれほどまで一生懸命になれるものかと感心するやら呆れるやら、筆者の好きな河内弁にしますと、「ええ加減にさらさんけぇー、われ」とでも言いたくなるような人間の愚かさに全く疲れてしまいます。

しかし、この程度のことで驚いていてはいけないようです。

人間の愚かさはアインシュタインではありませんがどうも無限のようですから、未来に向かって益々強力な殺人兵器を導入し続けて行くことを基本方針としている各国はこの方針に沿っての既定路線をこれからも粛々と(というより、積極的かつ急進的に)進んで行くものと思われます。

しかし、宇宙兵器なども含めて、より強力な新兵器を開発することにより他国よりも優位に立ち独り勝ちできると考えているのであれば、それは錯覚であり幻想にすぎません。

新兵器の威力を投影された国は、すぐに新兵器への対抗兵器を開発することになります。

核兵器もそうでした。今の世界は科学知識もその技術もグローバルになっていますから、どのような新兵器を作ろうとも相手方もそれに対抗するレベルの兵器を作ることは可能であると考えられます。

つまり、どのような新兵器も独り勝ちにはなりません。新兵器と対抗兵器開発のくたびれ儲けのセットは際限なく繰り返されることになります。

すなわち、A国から新兵器の威力を投影されたB国は対抗兵器を開発するが、これはA国にとってはB国の新兵器に見えることから、A国はB国の新兵器への対抗兵器を開発するのであるが、それはB国にとってはA国の新々兵器に見えることから……というように際限のない開発競争が形成されるということです。

相手国への恐れから自国の影(新兵器)を相手国に投影し、その投影された影に恐れた相手国から相手国の影(対抗兵器)を投影され返される、という自国から発した影が自国に反射するという愚かな連鎖というべき構図です。

このことは何を示唆しているのでしょうか。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。