この街の 忘れ形見に一枚の 畑(はたけ)残され葱(ねぎ)の花咲く
女郎蜘蛛、白銀(しろがね)の巣を架けし藪(やぶ) 伐り払はれて家が建ちたり
冬ごもる藪は伐られて鶯の 初音を恋へど絶えて久しき
※本記事は、2018年11月刊行の書籍『歌集 風音』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 風音【第30回】
何気ない日常にある幸せを探しに。
優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。
この街の 忘れ形見に一枚の 畑(はたけ)残され葱(ねぎ)の花咲く
女郎蜘蛛、白銀(しろがね)の巣を架けし藪(やぶ) 伐り払はれて家が建ちたり
冬ごもる藪は伐られて鶯の 初音を恋へど絶えて久しき