選ばれるということ

ビジネスにおいても、日常生活においても、あるいは人生においても、私たちは自分の夢や希望を社会的に叶えていくために、誰かにプロポーズ(Propose)しなければならない場面が必ずあります。といっても、結婚を申し込むという意味ではなく、相手の「前(Pro-)」に、「置く(pose)」、つまり、自分の価値を提示するという意味です。

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動詞形のプロポーズよりも名詞形のプロポーザルという言い方の方がビジネスにおいてはしっくりくるようです。プロポーザルの場合、企画や提案の競争という意味で使われますが、やはり「価値の提示」というポイントを押さえておくべきでしょう。現代のあらゆる「事業」は「顧客」の存在によって成り立ちます。

自身もまた顧客として、サービスや商品を調達し、それをもとに自らのサービスや商品を、顧客に購入してもらう、という「顧客」の連鎖がバリューチェーンです。私たちは、事業の成功のために顧客に価値を認められ、選ばれて、バリューチェーンから利益を上げたいと思っています。

競争状態にあって、自分たちを優先的に顧客に選定してもらうためには、自分たちを知ってもらい、選んでもらう必要があります。その一連のコミュニケーションが「プロポーザル」です。そしてプロポーザルの一連のプロセスにおいて最大の山場となるのがプレゼンテーションです。

オスの孔雀が飾り羽を広げるメスへの求愛行動はプレゼンテーションと言えるでしょう。自らの価値を表現し、相手に伝えるのがプレゼンテーションです。コミュニケーションとしてのプレゼンテーションには、いくつかの特徴があります。その最大の特徴は時間の制約があるということです。