君が、東京にいて京都に行きたかったとしよう。

そうしたら、西に行くのが正解で、急ぐなら東海道新幹線に乗るべきだし、

京都に正午につきたいなら、午前9時40分には

新幹線に乗らなきゃならない。

でも、あくまで京都に行きたいと決めたのは君で、

したいことをするために「べき」があるんだ。

ほらね、つまりはそういうこと。

したいが王様で、べきが召使いなんだよ。

じゃあどうしてみんな、したいことをしないの?

いいかい。よく聞いて。

僕のいるこころの世界では、したいことはなんでもできる。

でも、この世界は象徴の世界で、空想の世界じゃないんだよ。

君が、もし悪意を持って「死ね」と命令したらみんな死んでいく。

現実の世界では君の周りから人は消えていく。

でもここは、空想の世界じゃないんだ。

ある日、気まぐれにみんなに「愛せ」と命令しても誰も生き返らないよ。

君を愛してくれる人が帰ってくるのは、君がみんなを愛した時だけだ。

この世界は君の願うことが叶うんじゃない。

君のこころのありようが叶うんだ。