2004年の『Neuron』誌に掲載された米国・ベイラー医科大学の神経科学者リード・モンタギューのグループによるコカ・コーラとペプシコーラの選好に関する実験があります。

コカ・コーラが好きな被験者に対して、ブランド名を伏せた場合と伏せなかった場合について飲用中の脳の活動を計測した結果、後者の場合にだけ背外側前頭葉が活発に働いたことが観測されました[17]。

ブランド名は実際の脳の活動にも影響を与えていることが分かります。このように、脳科学の立場から消費者の脳の反応を計測することで消費者心理や行動の仕組みを解明し、マーケティングに応用しようとする試みを、ニューロマーケティングと呼んでいます。

したがって、医療においても実際に行われた医療が本質的に良い医療なのかどうかは患者サイドに判断する能力はありません。医療者側にも自身が提供した医療が最善であったかを知る術はありません。

以上のことから、病院がブランド力をつけることが知覚品質を高め、CS向上に寄与すると考えます。

※本記事は、2017年12月刊行の書籍『MBA的医療経営』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。