今回の日帰り旅の〆となるのは西本願寺である。この寺院は京都市民から「お西さん」の愛称で親しまれている。堀川通沿いの巨大な伽藍(がらん)が目を奪う。寺院と言うより工場群の様な印象を受ける。阿弥陀コンビナートとでも呼ぶべきか。今日は何かの行事があるのか、三百mはある寺の塀に沿って緑白赤のトリコロールの横断幕が掛かり、堀川通が華やかに彩られている。

全国の寺から、住職が檀家の人たちを引率してきている。境内はあたかも、修学旅行のような団体で溢れ、声を枯らして、迷子の檀家の名前を叫んでいる住職の姿もちらほらと見られた。

国宝の御影堂と阿弥陀堂の威容には圧倒される。御影堂内は、折りたたみ椅子がざっと千脚は並ぶ広大さ。数十人の信者が熱心にお経を唱えている。須弥壇(しゅみだん)の中央に黒い物体が安置されているが、照明が暗いのと参拝者用の席から須弥壇までが遠いので細部まで分からない。

後で、あれが親鸞聖人像と判明。親鸞聖人の御尊顔を拝むには、視力が、五・〇必要。

次に、阿弥陀堂を拝観。雑誌『ムー』的には、「西本願寺に密かに回収されたUFO」と表現される巨大な灯篭が吊られている。信者たちの魂を此岸から彼岸へと運ぶ乗り物のようにも見える。そうだとすれば、あの灯篭何人乗りだろうかとついいらぬことを考えてしまう。