さて、このカタクチイワシもイタリア人の健康を支える食材の一つです。青魚の効用についてはよく知られるようになりましたが、イワシにはEPAやDHA、タウリン、ビタミンEなどの健康成分が豊富に含まれています。

EPAには、血行をよくし、血が固まるのを抑えて血液をサラサラにする働きがあります。また、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やします。つまり、若々しい弾力のある血管を保つ効果が大きいのです。

DHAとタウリンにも同様の作用があり、ビタミンEは強い抗酸化作用を持っています。イワシは、生活習慣病を予防するには、まさに最強の食べ物といえます。そのうえ、DHAは脳を活性化し、神経組織の機能を強化します。青魚を食べると頭がよくなるといわれるのはこのためです。

イワシにはカルシウムもたっぷり、その吸収を助けるビタミンDも多く含まれています。生活習慣病予防、アンチエイジング、認知症予防にこれほど役立つ食品はありません。安価なのもうれしいところ。アンチョビと呼べなくてもイワシはイワシ。どんどん食べて、美と健康を保ちたいものです。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『喰い改めよ! あなたはあなたが食べたものでできている』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。