2004年生まれの日本人のうち、約半数が100歳まで生きるという試算があります。小卒、中卒での就職が当たり前だった明治時代から、大卒、院卒が当たり前の時代になり20歳時点での平均余命が大幅に伸びた結果、再雇用制度などを導入しても人生のうちで就労期間が半分にもならない時代となりました。

私たちの寿命が延びるのに合わせて、教育も企業就労期間も薄く引き伸ばされてはきましたが、寿命の延びには追い付いていないことがわかります。私たちの感覚も社会制度も、織田信長が謡った「人生50年~」からほとんど進歩していないのです。

21世紀の個人が直面する、人生100年時代という「まともなこっちゃない」事態は、一人ひとりの生き方への考え方を変えていきます。同時にそれは、ビジネスのありようも根本的に変えていくでしょう。

なぜなら、民主主義的に運営されている社会において、あらゆる仕事、事業、ビジネスを成立させているバリューチェーン(価値の連鎖)は一人ひとりの個人へと収斂していくものだからです。(収斂先はしばしば極端に偏ることがあるにしてもです。)

私たちは「変化というか、何か」を必要としています。それは何でしょうか。ビルボ・バギンズにとっての「旅」にあたるもの。それは挑戦とチャレンジなのではないでしょうか。

人生100年時代は、全ての人にとっての挑戦とチャレンジの時代なのです。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『intelligence3.0』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。