私は宮沢賢治の

私は宮沢賢治の

「雨ニモマケズ

風ニモマケズ 

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ…」

の詩が好きで 事ある毎にくちずさんできた

最後の

「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」

この言葉 この詩が かあさんの生き方と重なって見えた

「慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル」

私も 少しは近づきたい

目もかすみ

耳も遠くなり

足腰が立たなくなり

思うように話すことができなくなっていく自分を 静かに静かに受け止め

私たちが訪ねることを とても喜んでくれたかあさん

心の中で「こんどはいつ来てくれる?」と

子供たちのことを ずっとずっと待っていたのですね

親の心子知らず 情けない子供でした

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『もう一度かあさんの聲が聴きたい』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。