シャツ専門店

彼のお店が番組で紹介されてからしばらくして、私はお礼のために彼の店を訪れた。本当は、次の日にでも行きたくて、彼の窮屈に着たシャツの着こなしを見たり、指輪のついた手で美しい状態にシャツをたたむのをもう一度眺めたいと思ったけれど、彼に、あまりに簡単だと、彼に私が好意を抱いていると、思われたくなかった。

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それでも私は、自分が完全に彼に惹かれていることはわかっていたし、それは、今までにないくらいに、強烈で直接的な感情だった。目も、声も、立ち姿にも私は好意を抱いていた。あの日の彼の立ち居振る舞いの全てが私にはとても素敵に見えた。

彼の白いシャツの下にある肌の感じや感触を確かめてみたいと思った。

私は、自分のそんな感情を、恥ずかしいと思った。私はじっと我慢して、彼への感情の震えにまるで気づいてないようにして1週間を過ごした。でも朝起きて目を開けると、毎日彼のことを思い出した。彼の首元に、ボタンが留まるのを想像した。彼が、指輪のついた手で、シャツをたたむのをなぞった。

ふと、その手で私の髪を撫でたら、どんな感じがするだろうと考えた。そして放送が終わった次の日、彼のお店の開く時間を待って、それからさらに2時間、百貨店の中に入っている本屋さんで探すともなくいくつかの本を見た。

彼のお店に行く途中の服屋に入り、わざとゆっくり洋服たちを見たり試着したりしながら彼のお店に行く時間を少しでも遅くしようとした。待ち構えるように、開店してすぐに来たと思われるのが恥ずかしかった。