お世話になった大切な元上司への記念のお祝いの品は何にしようと思い巡らした時、この有田焼の商品を思いついた。有田を活気づけたい、伝統のものづくりを発展させたいというこの方の情熱を、私も応援したい。有田焼なら、お二方に福岡(九州)にいらしたころをなつかしんでいただけるだろう。

千葉にお住まいの元社長には、手なぐさみに楽しんでいただこうと、万華鏡。沖縄にいらっしゃる元部長には、奥さまとのいい時間に使っていただければと、ペアのワインカップ。敬愛するお二人の末永い健康とよき日々を祈り、私たちの絆を誓い、また皆で語り合う日を夢見て、贈った。

4.再会

学生ツアーの友Tさん

学生時代のヨーロッパツアーの友Tさんと、二十数年ぶりに会った。彼は、福岡の大学を卒業して東京で就職。まだ私が学生のころ、一度その職場近くでお昼をご馳走になった。その後、留学や仕事でアメリカ暮らしが長かったTさんとは、年賀状のやりとりだけになっていた。ようやく東京に落ち着かれたという。お子さんはもう大学生。

上京の機会に久々に会ってみたいと思った。連絡に勇気が要ったが、すんなり約束できた。

ちょっとドキドキ、ちょっと気恥ずかしい対面だった。お互いに昔の雰囲気はそのままで、すぐに分かった。学生時代の旅、仲間のその後、仕事などについて、よくしゃべった。

その旅は私にとって初めての海外だった。それだけにツアー仲間はかけがえのない存在となり、細く長くつながりを保っている。私の歴史の一ページを彩った旅をなつかしんだ。

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元上司Iさん

元上司Iさんから、出張で福岡に行くとの連絡があった。是が非でも会いたかった。兄貴分みたいだったその上司には、仕事の面で指導を仰ぎ、不満や悩みを解決してもらい、オフタイムもつきあってもらっていた。社員の皆が慕っていた。

会うのは何年ぶりだったろう。お互いに年を重ねて、白髪が増えたり体型が崩れたりはしているが、性格や話し方や嗜好は変わらない。その変わらなさに安心できた。「福岡に来たら、ラーメン」とのIさんの言に、ひととおり食事をした後にラーメンを食べながら、昔も皆でこうして別れを惜しんで二次会、三次会と遅くまで語っていたと感慨深かった。

当時の皆に共有の思い出を紡ぎながら、そういう時代を過ごせたことに、その出会いに、あらためて感謝した。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『思いつくまま』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。