去年、九州大学と経済産業省の連携講座を受講した。テーマは「感性」。感性を活かしたものづくりや事業をされている方々のお話を聞き、毎回大きな刺激を受けたものだ。ある回で有田焼の万華鏡や万年筆を開発された方のお話があった。

故郷に戻ったら有田の町が活気をなくしていた。なんとか元気にしたい。そのためにどうしたらいいか? いろいろ考えながらも、いいアイデアが浮かばない。そんな時入院を経験し、手元にあった万華鏡が同室の患者さんや看護師さんたちをも楽しませたことに着目し、有田焼で万華鏡を作ることを思いついた。

その技術のためにさまざまな業種の方に相談し、やっと完成。できた万華鏡は贈り物としての需要で大成功。次に作った万年筆も、去年のサミットで各国元首への日本の首相からのお土産として使われるほど認められた品となった。―その話はとても心に残った。