私は初めてNCIXを訪れた時、恥の殿堂の見学をすることができた。それは第二次世界大戦後のアメリカの最も悪名高い裏切り者達の8インチ×10インチの大きさの写真フレームが飾られた回廊であった。

殿堂に飾られた一人目は、マンハッタン計画に携わったドイツの物理学者クラウス・ファッハで核爆弾の秘密をソビエトに漏洩したために、開発競争でソビエトを有力な核パワーに育て上げた。回廊は年代順に続き、悪名高いスパイ、ジュリウス・ローゼン
バーグ、アルドリッチ・エイムズ、ロバート・ハンセン、ジョン・ウオーカー、それにアナ・ベレン・モンテスの顔写真が並んでいた。

アメリカ国防情報局に勤務したキューバのスパイ、アナ・モンテスの顔写真は特に記憶に残る。その写真は1997年に元CIA局長ジョージ・テネットから彼女が優秀賞を受け取っている写真を切り抜いたものだった。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『AFTERMATH』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。