※本記事は、2020年10月刊行の書籍『喰い改めよ! あなたはあなたが食べたものでできている』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

イタリア食は健康によい

なぜ、オリーブオイルは心臓疾患や生活習慣病を予防するのか。

ここで簡単に油のお話をしましょう。


一口に油といってもいろいろな種類があります。食用油やラードなど、はっきりわかる油もあれば、魚介類や穀類、乳製品、お菓子などに含まれる、あまり意識されない油もあります。


これらすべてをひっくるめて脂質といい、その主な構成成分は脂肪酸です。脂肪酸には、肉類や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸と、オリーブオイルやごま油、紅花油などに多く含まれる不飽和脂肪酸とがあります。不飽和脂肪酸は、さらに、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、EPA、DHAなどに分けられます。


飽和脂肪酸は中性脂肪や悪玉コレステロールを増やすので、摂りすぎると動脈硬化や脂質異常症などの生活習慣病を招きます。

一方の不飽和脂肪酸にはコレステロールを減らす作用があるのですが、酸化しやすいのが難です。


しかし、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、もっとも安定した脂肪酸で、酸化しにくいのです。加熱調理による酸化の心配も少ないので安心して使えます。そのうえ、善玉コレステロールは減らさないで悪玉コレステロールだけを減らす、というすぐれた特質を持っています。ですから、ガンや心臓疾患などの生活習慣病を防ぐ効果が大きいのです。