永遠(トワ)のやくそく

これは、クロリという、ある一ぴきの犬から聞いたものがたりです。犬の言うことを、うまく人間のことばにできたかどうかしんぱいですが、ぜひ読んでみてください。

ぼくは、ある日、ゴミおきばで目をさましました。

スヤスヤねむっているうちに、つれてこられたみたいです。

まだ子犬のぼくには、ダンボールばこを、よじ登ることができません。

『ママーッ! どこ? ぼく、ここだよーっ!』

ク~ン、ク~ン…。

ぼくは、いっしょうけんめい、はなをならしました。

するとそこに、せの高いお兄ちゃんが、通りかかりました。

「よし、よし。いい子だ。おいで」

ぼくには、人間のことばはわかりません。

でも、お兄ちゃんのうでの中は、とてもあたたかでした。

お兄ちゃんは、ぼくを、じぶんの巣につれていってくれました。

その大きな巣には、お兄ちゃんのパパとママもいました。

「ねぇ、かってもいいでしょ? ぼくが、ちゃんとめんどうをみるから」

それからぼくは、ごはんをいっぱい食べて、元気になりました。

広いにわや、大きな巣の中をかけまわり、思いきりほえました。

『ああ、うれしい! ああ、たのしい!』

ワンワン! ワンワンワン!

「この子、ちょっと元気がよすぎるわね」

そのうちお兄ちゃんのママが、ぼくを見て、かおをしかめるようになりました。