Slime Slime Slime

「ミコト、何かいい考えある?」
「ありますよ。最近はやりの何とかカフェを開くのは? 猫カフェ、ドッグカフェはありきたりだけど、スライムカフェならいけそうですね。」

タクもミコトのその考えに乗ってきた。そして数か月後……。二人は町なかに、全く新しい店をオープンさせた。

「いらっしゃいませ。スライムカフェへようこそ!」

天井の高い、ログハウス。田舎風のカフェで、スライム達はミコトが集めて来た。この店では、メデューサの泉の薬草と新鮮な果物で作った“薬草スムージー”が目玉である。それを可愛らしいスライム達が、よちよちと運ぶのだ。

この薬草スムージーは美容と健康に良いと、特に若い女性から絶大な人気を得た。二人が手掛けたこの、スライムカフェは大当たりだった。みるみるうちに人気はこの町だけにとどまらず、遠くからも人がわざわざ訪れるほどになっていった。

この店で働かせて欲しいという女性も多い。タクはその中の一人を、アルバイトとして雇うことにした。

彼女はスライムカフェの常連だ。毎日、特に熱心に通いつめていた。テキパキと仕事をこなす彼女だが、ミコトは何か思うところがあるようだ。

「ミコト、彼女もよく働いてくれてるんだし、そんな顔するなって。」