「ひとり?」
「いえ、友達が」

よく見ると、綺麗だった上にかわいかった。

「ずっと携帯さわってたよね」
「はい」
「かわいい」
「はぁ」
「今度、ちゃんと会お?」
「はい」
「かわいい、そうだ、彼女になんない? 今、探してるからさ」
「……」
「LINe教えて?」
「はい」

この子もNameのところが、1文字の子だった。やっぱり、流行っている。この子のアイコン、ラーメンだ。

壁際だったし、だから、やっぱり、ここで、キスしようとしたけど、御顔を横に背けられてしまった。強引にはできないけれど、半ば強引ぽく、できず。

「やっぱり、こんなことしちゃ、会ってくんない?」
「はぁ」
「今のだめだった?」
「ごめん、今度、ちゃんと会お?」

首、振られちゃった。はいって言ってくれても、結局、LINeの御返事はくれないんじゃと、思う。

ソファの横に置きっぱなしの鞄を、そのソファに座ってる奴が、鞄の中身をまさぐっていた。4時半になっても、やっぱり戻って来なかった。40分くらいになる前には、帰った。

ノリだよな。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『pop lock』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。