労働日数はおおよそ240日ありますので、年間延べ720時間となります。1年を平均すると昼と夜の時間が半分ですから、明るい時間に換算すると1年に60日を出勤移動に使っています。明るい貴重な時間を実に2カ月間、列車という箱の中で生きていることになります。また、すし詰め状態で揺られながら移動するわけですから、会社にたどり着く前にエネルギーの大半を消耗することになります。

オフィスにつけば、オフィスという箱の中で、昼1時間、夕方5時までというルールの中で過ごしています。私たちは仕事といえば、通勤電車に揺られ、会社という箱の空間で時を過ごすものだと理解しています。

製造業であれば、その箱は工場になります。製造業では、組立ラインがありますので、私たちは決められた時間に出社し、決められた時間内で作業を行い、生産を停滞させないため、機械の時間に人間の体内時間を合わせてきました。ときには深夜勤務が続くこともありました。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。