② 外来種の棲息

近年、地球環境の変化によって、日本に外来生物が多く入ってきている状況にあります。アメリカから「カミツキガメ」が、熱帯地方から「シマカ」「アメリカカンザイシロアリ」などがその代表的生物です。外来生物の多くは、生態系の破壊や人の生命や身体に害を及ぼす可能性があります。

外来種の駆除や害虫駆除では、環境的、化学的、物理的な防除法をうまく組み合わせ、経済的被害を生じるレベル以下に害虫個体群を減少させ、低いレベルを持続させるための殺虫・防虫のシステムを取り入れた総合的な方法、「IPM(総合的害虫管理)駆除法」で行うことが必要です。

感染症の消毒に関しても、病院の清掃管理をはじめ、食品製造工場では危害要因となる微生物、ウイルスから塵埃まで、モニタリングを定期的にデータ化することが望ましく、最小単位で防御するか予防することが必要です。

ネズミ、ゴキブリ、細菌、ウイルスは人間の活動とともに生活内に侵入し、悪者になっていますが、それらは約4億年の歴史を持ち、人間よりはるかに古く地球に誕生し、生き抜いてきた生物なのです。

③ 真菌と細菌

・真菌

真菌とは、カビやキノコなどのことです。人に感染症を引き起こす主な病原体としては、真菌のカビ、細菌、ウイルスがあります。

カビは、生物学の分類では酵母やキノコと同じ真菌類となります。なぜ、カビが真菌と呼ばれるのかというと、細胞核を持っているからです。カビは約10億年前に地球上に誕生した多細胞生物なのです。ちなみに、細菌は約35〜40億年前に誕生した単細胞の生物です。単細胞と多細胞の違いが何かと言うと、単細胞は細胞分裂がそのまま個体の増加につながり、繁殖力、進化が早いことです。一方、多細胞は多くの細胞によって構成されるために、環境変化に対して抵抗力が高められ、一部の細胞の損傷に対して増殖による入れ替えが可能です。

さて、真菌のカビですが、カビという名は俗称で、食品などの上で増えて肉眼で見えるような種類を、私たちは「カビ」と呼んでいます。

カビは「温度・湿度・栄養」が揃うと増殖します。湿度が高くなるとカビ対策が必要ですが、実際に増殖速度に大きく影響します。温度の同じ25℃の空間で、室内の平均湿度である70%では数カ月間増殖したものが、75%を超えると増殖速度を急激に早め、雨の日の屋外と同じである湿度90%以上となれば、わずか2日で目に見えるほど増えてしまいます。梅雨時期はどうしても湿度が高くなりやすく、少し油断していたらカビが……という事態も少なくありません。

カビは微生物の一種でもあり、10万種以上の種類があると言われていますが、現在も毎年新しいカビが発見されています。栄養分、酸素、湿度、温度、水分、時間があればあっという間に発生・増殖します。

カビの発生が病源を引き起こすものとして、多くは喘息や気管支炎等を起こすことで知られていますが、なかには熱や吐気、腹痛や下痢以外にもアフラトキシンにおいて発がん性物質が含まれていたり、白癬菌という菌により、主に足に発症する水虫もこれらの一種です。

カビが影響する疾患としては、次のようなものが挙げられます。

・ 肺アスペルギルス症……咳胸痛、発熱、呼吸困難(原因:カーペットやエアコンホースのカビ)
・ クリプトコッカス症……髄膜炎、肺炎、頭痛、錯乱(原因:ハトの糞等の真菌)
・ 気管支喘息………………呼吸困難、咳(原因:水回り等湿気の多い場所の真菌)
・ 食中毒……………………吐気や嘔吐(原因:穀類、ナッツ類付着のカビ)
・ 癬風………………………発疹(原因:マラセチア真菌)

真菌に対する治療では、細胞膜を破壊するため、細胞膜の合成を阻害する抗真菌薬が使われます。

 

・カビを食べる虫、「チャタテムシ」

チャタテムシは、カビを食べて生きている虫です。体長数ミリほどの薄茶色で、頭が三角形。鳴き声が、茶せんで抹茶を立てる音に似ていることから、この名前がつけられたと言います。

チャタテムシは、多湿の環境を好み、そのためこの虫を見かける場合には、目の届かないカビが発生している可能性があります。チャタテムシは、種類があり屋内に棲息する羽のない虫が多く、1匹で産卵するので増加が早いのです。建物のいたるところに発生します。住宅などでは水回りや床下などの他、クローゼットなども発生場所と言えるでしょう。6〜8月にかけてピークとなりますが、カビがなければこの発生を減らすことができます。

※本記事は、2018年6月刊行の書籍『EARTH 2050』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。