織田は、空気中の細菌を浄化する空気清浄機を製造するメーカーを経営していた。彼が丁度空気清浄機の開発に成功した頃、鳥から豚にインフルエンザウイルスの感染が広がり、そして最も恐れていた豚から人間への感染が始まった。

人間の間に広まったウイルスは空気感染で電車、航空機、劇場、競技場などで一気に広がり、世界中が大混乱することとなった。ウイルス感染者は、世界中で1億3千万人にも上り、大流行した。しかも死亡率20%以上と言われた。

このウイルスはアザミの花に似ていることからアザミウイルスと呼ばれた。このウイルスを99%以上除去し空気感染に対応するということで空気清浄機ORITAは世界中で販売され、それがきっかけとなって織田は世界屈指の大富豪になったのである。

70歳になったときに後進に道を譲り、今では悠々自適の生活を送っているが、彼の研究家としての精神は衰えることはなく、退職後もORITA研究所の所長として気ままに好きな研究を続けている。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『U リターン』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。