玄米は栄養の宝庫

そこで私、沓那からひとこと。実は平成二十六年三月の事、七十代前半の女性Aさんがやって来ました。いわく「私は腎臓疾患で十年も通院しましたがどの病院も治してくれません。ついに透析という最悪の事態になりました。どうか昔の健康を取り戻したい」との事。

検査報告書によると最悪の様子が伺えます。私は早速、過去の実績に基づき究極の体質改善法を提案。私が見守る中、Aさんの必死の努力が続きます。

ついにその結果が出ました。平成三十年三月、夢の体質改善の兆しが見え初めました。もちろん体調もよく、そこかしこに明るさを感じさせます。透析問題も解除目前のある日Aさんは腹痛により緊急入院。

何が起きたのか、Aさんいわく「体調がよくなりはじめた三十年三月ころから病院の食事指導が急に始まったのでそれに従った」との事。それによると「海老天等の天ぷらを毎日三食食べ続ける事」

実は全ての油脂類。Aさんにとって最悪の食材と位置づけて重ね重ね私が注意をしてきた食材だけにとっても残念。コワーイ話です。腎臓の悲鳴がきこえます。

そこで一言。「私の病気を治しなさいよ」と言ってドクターショッピング(ドクショ)をしても誰も治してはくれません。さまざまな情報を正しく入手した上で、いざ病気を治すのは自分自身なのだと云うことを肝に命じるべきではないでしょうか?

この油脂について朝日新聞二〇一五年九月十六日の天声人語に掲載のポテチ税導入に至ってしまったハンガリーの話が紹介されていますが、ポテチにしても天ぷらにしてもあのサクサクとしたカリカリ感はショートニングつまりトランス脂肪酸という魔法使いの仕業なのです。

ここでショートニングについて先の文献からの記述を添付します。

マーガリンとショートニングは“健康の大敵”

これまでの栄養学は、どちらかというと「引き算」の食生活を日本人に提案してきた。発ガン物質や動物性脂肪に代表されるように、「これは食べてはダメ、あれも危険が大きい」といった具合にネガティブな情報を発信してきたわけである。

これに対して私の分子栄養学では、基本的に「足し算」の食生活を考える。栄養は必要な絶対量が決まっているから、必然的に「これを食べなければいけない、あれも必要だ」というポジティブな発想になる。

ただ、そうは言っても「引き算」がまったく不要なわけではない。やはり有害な食品はある。とくに私が絶対に口にしないのは、バターの代用品であるマーガリンと、ラードの代用品であるショートニングである。現時点で、健康のために「食べてはいけない」と断言できるのは、この二つだけと言ってよい。