学校の授業中は椅子に座って静かに先生の話を聞くことになっていますが、離席したり、勝手に喋っていたりすると、当然先生から叱られます。そのことによって自尊心が傷ついたりはしますが、学級でのマナーを守らないと同級生からは文句を言われ、いじめられたりすることもあるので叱られることも必要なのです。

昔は隣のおばさんが遠慮なくマナーを子どもたちに教えてくれました。隣で子どもが泣きっぱなしだと、「どうした?」と尋ねてきました。しかし今は、核家族化が進み、近所で余計なお世話・おせっかいをする人がいなくなりました。

その分、ラクになったこともありますが、マナーが身につきにくくなっています。そして、少子化で一人の子どもにかけられるお金が増え、子どもがなんでも手に入れられるようになった現代では、「待つ」「我慢する」というマナーもなくなりつつあります。

※本記事は、2018年10月刊行の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。