『奇跡の軌跡』

(まず、ホーム上で即座に合流するためには、到着ホームを特定しなければ)と私は思った。ラインなら二番線、横須賀(よこすか)線なら地下五階である。

私…「新橋へはなに線でくるのか!?」

さぎり…「ライン 四二分で到着予定」

(ラインなら、このまま二番線ホームで待機していればいいのだ。地下駅よりは数段ましだぞ)と思う。

(しかしあれ!? 先ほどは、五五分と言ったではないか? なぜ四二分なんだ!?)と訝(いぶか)しく、

私…「五五分着が四二分着に変更したのか!?」と、尋ねる。

さぎり…「乗ってる時間が四二ふん」

(焦ったさぎりが到着に掛かる時間を瞬時に計算できるとは思えんが・・・)

私…「五五分着に変更なしか!? イエスかノーで」と、いつしか軍隊式な問答となった。いや、軍隊式ではない。これは、ウルトラ警備隊通信そのものではないか。

さぎり…「いえす」