「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。

行事編~子どもが夢中になって、大きく成長するチャンス~

学校生活の中で、子どもが楽しみにしているのが行事です。行事が楽しいのは、「自分たちでアイデアを出し合ってそれを実現できる」という喜びがあるからでしょう。また、行事に向かう中で、クラスメイトと仲良くなれるというよい点もあります。

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しかしここで「そもそも」を考えてみましょう。学校が勉強をするところであるならば、なぜ行事などあるのでしょうか。考えたことはありますか。

哲学者アリストテレスは、自身の教育論の中で、音楽教育を重視しています。アリストテレスによれば、音楽は暮らしていくのにどうしても必要なものではなく、たんに楽しみのためだけに存在するので、暇な時間に行われるものであるといいます(「暇」はギリシャ語で「スコレー」です。実は英語の「スクール」の語源になっているという説があります)。

ここまでの話だと、それならやる必要がないと思う人もいるかもしれませんが、アリストテレスによれば、この暇な時間こそ、人間が学問や芸術に専念し、幸せになるための大切な時間であるといいます。