3歳児健診で「自閉的傾向」があると言われました。しかし「自閉的傾向」というものが、どういう事を意味するのか、知識が全くなく、五体満足なので、「傾向」と言うのは、おとなしい性格の事を意味しているのだろうと私はのんきに解釈し、言葉もそのうち出てくるだろうと深く考えませんでした。

知的障がいを伴っているという事など予想もしませんでした。当時は「自閉症」が、「脳の障害」であることが医師の間にも知られておらず、医師も詳しく説明出来ない状態だったと思います。

病院のデイケア通い

当時、自宅に訪れてきた保健婦さんに、近くにある病院の「デイケア」に行く事を薦められました。それがどういう事なのか深く考えもせず言われるがままに「デイケア」に行くと、息子と同い年の同じような無表情な子どもが5人通ってきておりました。

デイケアでは、指導員が一人ひとり子どもに付きましたが、黙って子どもの様子を観察しノートに記録するだけで、言葉をかける事もなく、遊ばせる事もなく1日が過ぎました。子ども達は、おもちゃがあっても「遊ぶ」という事が出来ず、コミュニケーションも取れないので、どうしてもそのようにならざるを得なかったと思います。

※本記事は、2020年12月刊行の書籍『言語能力2歳の自閉症 正社員となる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。