*START IIとIIIが潰れたため、START Iに続く新START(上限は米ロ各1550発)が2010年に締結されその翌年に発効したが、核弾頭数削減は未履行のまま失効が迫っているものの、2019年12月現在その延長協議は進んでいない。

*双方がその力を放棄すれば軍拡を招くことはないであろうという哲学により、1987年に中距離核戦力全廃条約(INF)が締結され条約が定める期限の1991年の半ば迄に米ソ合わせて2500超の核弾頭および通常弾頭を搭載した中距離ミサイルが廃棄された。この条約はロシアに引き継がれたが、2019年2月に米国が破棄を通告し半年後の8月に失効した。

現在世界の推定世界戦略核弾頭の総数は約15,000発で(2017年12月10日の朝日新聞)、アメリカとロシア(旧ソ連)の両国がその90%強を半分ずつ保有し、残りの10%弱を他の国が保有しています。この15,000発という推定世界戦略核弾頭の総数は、1980 年代後半の数万発をピークとして、アメリカとソ連/ロシアが主として第一次戦略兵器削減条約(START I)を通して、減少をしたものです。然るに今世紀に入った頃からその削減は停滞し、むしろ「歯止め」がなくなり核軍拡へ逆戻りする恐れさえある憂いが拭い切れません。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。