我々人間界には絶えることのない争いが存在しています。争いが生じる主な根源には、1.人種・民族の差別、2.宗教の存在、そして3.主権国家の存在、の三大根源があります。これらがなぜ争いを創造するのか、そしてどうすれば人間界から争いを追放することができるのかについて思いをめぐらします。

科学の厄災化

1.科学の非平和的使用

科学の非平和的使用の最たるものには、人間殺戮器である(1)核兵器と(2)通常兵器があります。

(1)核兵器

④ 核兵器は「人間界至高の理念」に矛盾する絶対悪

核兵器は絶対悪です。科学を厄災化したものの最たるものであり、「人間界至高の理念」に矛盾する最たるものですから、人間界から可及的速やかにかつ完璧に駆逐するべきものです。

一旦核兵器が使用されますと、多数の人々の命が一瞬にして奪われ、あるいは一生治癒されることのない後遺症に苦しむという、人道に悖る筆舌に尽くし難い、理不尽な不幸・悲惨をもたらします。さらに、核兵器による世界戦争になれば、その威力による直接的被害はもとより、世界全域の地球生態系の壊滅をもたらし、人類は滅亡します。人類は未来を失うことになります。

どの国のどの人も、全世界のどの一人も、非人道的な最たるものである核兵器のない世界を希望しています。従って、全世界から核兵器を廃絶しなければなりません。くだらない理屈を蘊蓄するその道の専門家と言われる愚かな大人より、子供にもわかる疑う余地のない明らかなことです。人類に対する絶対悪ですから、有無を言わせず無条件に断固排除しなければなりません。

⑤ 核兵器削減と廃絶への取り組み

戦いのため、より強力な兵器を求めて来たのが兵器の歴史ですから、アメリカがその延長線上で核兵器を導入したことは不思議なことではありません。歴史に“もし” はありませんが、アメリカでなければ、どこかほかの国が最初の核兵器導入国になったことは論を待ちません。しかし、導入してみると、そのあまりにも強力な威力のため、アメリカとソ連は言うに及ばず世界はその恐怖におののきました。そのため、核兵器削減と廃絶への取り組みが生じています。

主な取り組みは以下の通りです。

国際連合

*1968年に国連総会で「核拡散防止条約(NPT)」が採択されています。これは、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国(第二次世界大戦の戦勝国で国連常任理事国の5カ国)のみを国際的に認められた「核兵器保有国」として核軍縮義務を規定し、他の「非核兵器保有国」の核兵器保有を禁止し「核は平和利用」に限定するものです。

*1994年から毎年日本は世界で唯一の核被爆国として「核兵器廃絶決議案」を提出し採択されています。2009年には、アメリカのバラク・オバマ大統領の「核なき世界」の提唱により、アメリカが初めて共同提案国となっています。2012年には、核兵器廃絶決議案は184カ国という多数の国により決議されています。

2017年に採択された決議案にはアメリカ、イギリス、フランスを含む156カ国が賛同国となっていますが、その数はその前年の167カ国から11カ国減少しています。減少の主な理由には、当年の7月にNGOのICAN(International Campaign to Abolish Nuclear Weapons)の努力により国連で「核兵器禁止条約」が採択されましたが、核兵器廃絶決議案提出の日本がその反対に回ったということで、核なき世界に対するダブルスタンダードを持つ国という悪いイメージが生じたことにあることが否定できません。

反対したのは、核使用が禁止されるとアメリカの核の傘に依拠している日本や他の国の安全保障のバランスが崩れるというのがその主たる理由です。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。