くしゃみとルービックキューブ 6.

アンフィニの更衣室で岳也が着替えていると、洋一が入ってきた。

「僕のルービックキューブ、見ませんでしたか」

岳也の顔を見るなり、挨拶もそこそこに訊いてくる。

「ルービックキューブ?」
「そうです。こないだくしゃみさんちに行ったとき、もしかして置き忘れてきちゃったかなと思って」

岳也は首を振る。

「いや、見てない」

洋一はがっくりと肩を落とした。

「あー、どこいっちゃったんだろ……」
「いつからないの?」
「それが分からないんです」

洋一はうつむいたまま答える。

「気が付いたらなくなってて。落とした覚えもないし、どっかに置いたっていう記憶もないし」

あーでも、と呟くと洋一は顔を上げた。

「外に持って出たのはくしゃみさんちに行ったときが最後だから、落としたとしたらそのときなんですよ」
「そっか。じゃ、なくしたとしたら帰り道だな。途中でどっかに寄った?」

ロッカーの扉を閉めると岳也は言った。洋一も、のろのろと着替えを始めながら答える。