彼のことを想って、悲しみながらも、共に私たち自身の、今やるべきことを忘れないでほしい。それ故に、かつての姉、今は我々の妃、この国の権力を引き継ぐガートルード妃、その彼女を、私の妻にしたということは、片目は明るく、片目は暗く、いわば陽気な葬式、結婚式に葬送歌を歌い、喜びと悲しみを等しくはかりにかける、そのような心情である。

当然、この婚礼に関しても、皆の忠告を無視したということはない。結局誰もがこの婚儀に賛成してくれた。感謝するぞ。そして、次に、知っていると思うが、若いフォーティンブラスのことだ。私たちの軍隊が劣っていると思ってか、それか、兄の死のため国内が乱れていると思ってか、今は自分たちが有利であると夢のようなことを思っている。彼の父親が法に従い兄に渡した領土を還せという伝言が届き、私たちを困らせている。

大事なのは彼に対してどう出るかだ。今日の会議はそのためなのだが、ここにノールウェイ王への親書がある。王はフォーティンブラスの叔父にあたるが、近ごろずっと寝込んでいるとか。なので、甥の目的を聞いていないらしい。さらにフォーティンブラスは国民をだまし、軍を組織しようとしている。それを知らせる手紙だが、これを送る使いの者として、コーニーリアス、それからヴォールティマンド、お前たちに命ずる。王への重要な用件はこの親書に書いてある箇条のとおり、それ以外の処置は許さない」

コーニーリアスとヴォールティマンドは言った。

「承知しました」