薬剤師・国際中医学専門員の佐田義尚氏が、「かゆみの原因」そして対処法についてわかりやすく解説していきます。

かゆみの原因

(8)休息

社会の流れが速くなっていることは本連載でお話した通りです。濃密な仕事を長時間続けていく必要がある時代です。さらに必要最小限の人員で仕事をしているところも多く、代わりの人がいないために、不足する時間は何かを削って捻出しなければなりません。すると削りやすいのが食事の時間や休息の時間になります。

例えばその中の睡眠時間が少なくなると、どうにも対処しようがなくなります。睡眠不足を解消する薬はないのです。概して精神疲労や肉体疲労が強くなってくると、かゆみに対する耐性が低下して、かゆみを引き起こしやすくなります。

私の場合、受験勉強中も徹夜はしたことがなかったのですが、大学入学後には夜遅くまで起きていることが多くなりました。これも私のアトピー性皮膚炎を悪化させた要因だと考えています。

コラム:私の食べ物に対する感覚

中医学による治療を続けているあいだに、いつからかなんとなく〝これを食べるとアレルギーがひどくなりそうだ〟と思うものが出てきました。その食べ物は好き嫌いにはかかわらないのです。これは非常に感覚的なもので、目で見たり、口に入れたりすると妙に嫌な感じがするのです。特に口に入れるとかゆみというかピリピリする感じがします。もちろん好き嫌いではありません。

例えて言えば、少し古いメザシを食べた時の感覚に近いでしょうか。しかし、しばらくは無視して食べていましたが、ある程度特定のものに対して反応するので、少しずつそのような食べ物は取らないようになりました。実際、そうした食べ物の中のいくつかは、食後しばらくして体調を崩すものがありました。

一方、中医学的見地に立った食事療法は、その人の体質・体の状態・季節などに応じて、食べて良い物、悪い物が決まってきます。私の場合、おおまかに言うと辛い物、古い油物、冷たい物、などが合わないということでした。不思議なことに、食べると体に悪そうだと自分が感じた大半の食べ物は、この摂るべきではない食べ物の中に入っていました。

本来こういった本能的な感覚は、今でこそ失われている人が多いように思いますが、自然を生きていく上でとても重要なものではないかと思うのです。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『かゆみの処方箋』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。